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概要:米連邦準備理事会(FRB)は30日まで開いた連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.25─2.50%に据え置くことを決定した。米経済見通しを巡る不確実性の高まりを挙げ、年内の一段の利上げに忍耐強くある姿勢を示した。 市場関係者のコメントは以下の通り。 株式市場は好感、米中問題に焦点シフト <三井住友トラスト・アセットマネジメントのシニアストラテジスト、上野裕之氏>
[ニューヨーク、東京 30日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は30日まで開いた連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.25─2.50%に据え置くことを決定した。米経済見通しを巡る不確実性の高まりを挙げ、年内の一段の利上げに忍耐強くある姿勢を示した。
市場関係者のコメントは以下の通り。
株式市場は好感、米中問題に焦点シフト
<三井住友トラスト・アセットマネジメントのシニアストラテジスト、上野裕之氏>
米連邦公開市場委員会(FOMC)のハト派スタンスを好感して米国株市場は大幅に上昇。日本株の安心材料となっている。外為市場でややドル安/円高に反応したが、これまでに米国の利上げペースの鈍化は織り込まれてきており、金融政策を材料としてここから一段とドル安/円高が進行する可能性は大きくないとみている。
米連邦準備理事会(FRB)のハト派スタンスがみえたことで米国の金融政策はいったんリスク要因でなくなり、短期的には再び米中貿易協議へ焦点が移っていく。米中問題が落ち着かない限りは日本株も積極的に上値を追いづらいが、中国の譲歩姿勢などがみえてくれば戻りを試す流れになりそうだ。3月末までの日経平均のレンジは1万9000─2万2000円を想定している。
●ハト派120%のFRB、次の一手は緩和へ
<三井住友銀行のチーフストラテジスト、宇野大介氏>
新方式で開催された今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、3種類の声明文が公表された。
一つは景気全般に関する従来と同様のもの。もう一つは長期的な目標と金融政策という題。そして3つ目は「バランスシートの正常化に関する声明文」だ。
一つ目の声明文では、経済見通しへのリスクは「おおむね均衡している」という文章が削除され、FF金利の目標レンジを「漸進的にさらに幾分引き上げる」も削除された。一方、「忍耐強い様子見」姿勢は念押しされた。
これだけでも「ハト色100%」と言えるだろう。
バランスシートの正常化については、将来、経済情勢が悪化し、利下げだけでは金融緩和が十分ではない場合には、「バランスシートの規模や構成内容を変更すること(altering the size and composition of its balance sheet)を含めて、全ての緩和手段を講じる用意がある」とした。
これは量的緩和の再開、もしくは、再拡大さえも匂わせるものだ。
米連邦準備理事会(FRB)は2015年以降の段階的利上げを通じて、利下げのバッファー(のりしろ)を粛々と作り上げてきた。
しかし、足元では2.25―2.5%となったバッファーを吐き出すだけでは足りない場合をFRBが想定し、量的緩和策にまで言及したことは「ハト派120%」とも言える。
ここに至るには、その前哨戦がある。FRBは保有債券を昨年10月から月額500億ドルのペースで縮小させる計画だったが、縮小規模は昨年末にかけて計画より少なめになっている。
金融市場への示唆としては、トレンドとしての長期金利低下、逆イールド形成、そしてドル売りが考えられる。
現在は、各々が限られた範囲の動きにとどまっているのは、中国経済の減速を十分に織り込んでいない米国株が反発を続けているからであり、つかの間の晴れ間といえるだろう。
今後は、世界的な株価の調整がある程度の本格的なものになって初めて、米金利低下とドル売りが加速するという流れを予想している。
●3月米利上げスキップ確認、円債市場は当面レンジ相場
<みずほ証券のチーフ債券ストラテジスト、丹治倫敦氏>
1月以降、米連邦準備理事会(FRB)は3月の利上げをスキップを示唆するような方向でコミュニケーションをとってきた。それが声明文で正式に示された。タカ派かハト派かといえばハト派であるのは間違いないが、際立って目新しい内容が出てきた訳ではない。3月以降の利上げに関する強い示唆もない。
声明文とは別にバランスシートに関する文書が公表されたが、もともとバランスシートの縮小で金利が上昇していたわけではなく、影響は限定的だろう。もっとも米10年債利回りが2.5%に近づくには、利下げの可能性を織り込みにいかなければならない。それには市場が景気に対し、さらに悲観的になるような新たな材料が必要となる。
円債市場は、2月分の日銀の国債買い入れオペの方針で減額が示されれば金利水準が若干、切りあがる可能性はある。だが3月までの米国の利上げスキップがみえている。上にも下にも動かず、しばらくはレンジ相場が続きそうだ。
●バランスシート戦略見直し示唆は新材料
<アバディーン・スタンダード・インベストメンツのシニアエコノミスト、ジェームズ・マカン氏>
声明はハト派的で安心感を誘う内容で、大きく予想を外れることもなかった。ただ、バランスシート戦略に転換が見られたことは驚きを誘い、米株価動向にもそれが表れている。文言は非常に曖昧で、おそらく意図的に曖昧にしたのだろう。だが、バランスシート戦略を用い金融緩和を拡大する用意があると明示したことは幾分新材料だった。
●声明はハト派、自動操縦にならないシグナル
<キャンター・フィッツジェラルドの債券アナリスト、ジャスティン・レデレー氏>
声明はハト派的だった。それに反応し、米債市場では2年債価格が上昇し、イールドカーブがスティープ化している。
特に驚きはなく、バランスシートに関する文言もセンチメントと一致した。総じて、米連邦準備理事会(FRB)が今後オートパイロット(自動操縦)にならないとのシグナルを発する結果となった。
●政策方針、数カ月前から180度転換
<アリアンツの首席経済アドバイザー、モハメド・エラリアン氏>
米連邦準備理事会(FRB)は声明で、将来の金利の道筋について辛抱強くなり、バランスシート縮小に一段と柔軟に対応する方針を示し、市場が望んでいた通りの内容となった。これはFRBが数カ月前に示唆した政策方針から180度の転換となる。
●FRBは選択肢維持、年内2回利上げの公算
<GAMインベストント・マネジメント(チューリヒ)の首席エコノミスト、ラリー・ハゼウェイ氏>
米連邦準備理事会(FRB)は経済活動の評価に関して、力強く拡大しているとの文言を削除した。これは若干の下方修正だが、全体的に見ると、FRBは明らかに選択肢を維持している。
つまりFRBは、今回は金利は据え置いたものの、選択肢はオープンで、年内は金利据え置きよりも利上げが実施される公算の方が大きいとのメッセージを発したかったのではないか。
年内の利上げ回数は1回よりも2回になる公算が大きいと見ている。
●「パンチボウル」再び満杯、極めて緩和的な政策継続
<グッゲンハイム・パートナーズ(米カリフォルニア州サンタモニカ)のグローバル最高投資責任者(CIO)、スコット・ミナード氏>
(電子メールでコメント)米連邦準備理事会(FRB)は今後新たな方針を示すまで金利は据え置かれることを明確に示した。FRBのトーンが「ハト派」にシフトしたことで、金融政策は極めて緩和的に維持される。
金利据え置きが決定されたことで、緩和が一段と継続し、超過が積み上がり続け、金融不安定のリスクが増大するとのわれわれの見方が裏付けられた。
FRBは「パンチボウル」を再び満杯にした。パーティーは継続する。
●ハト派的、第1四半期中の利上げの公算小さい
<ストーン・アンド・マッカーシ・リサーチアソシエーツ(ニューヨーク)の市場ストラテジスト、ジョン・カナバン氏>
全般的に見て、連邦公開市場委員会(FOMC)声明とバランスシートに関する声明は、ハト派的な組み合わせだった。一定のハト派的なスタンスは織り込み済みだったため、これ以上ハト派的になるのは難しい。
バランスシートに関するコメントは、バランスシート縮小の市場に及ぼす影響が予想より大きかったとのFRBの認識表明でもある。FRBは現在、いくらかの調整を行う用意があることを示している。
米経済成長は年内に数回の利上げを実施できるほどになお力強い。ただ第1・四半期中の利上げの公算は小さい。
●市場寄りの姿勢表明
<アルビオン・フィナンシャルグループ(米ユタ州ソルトレークシティ)の最高投資責任者(CIO)、ジェイソン・ウェア氏>
米連邦準備理事会(FRB)が今回の声明から「いくらかのさらなる緩やかな」利上げが適切となるなどの文言を削除したことは、FRBが現在は市場に寄り添う姿勢を示していることを示唆している。つまり、FRBは市場のボラティリティーを注視しており、上向きリスクよりも下向きリスクを注目しているといったことを伝えたかったのではないか。
FRBはこれまでよりも若干「忍耐強く」あり、かつデータに依存する姿勢を示した。こうした見解は市場が待ち望んでいたものだった。
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