シンガポールの石油取引会社、８億ドルの損失隠し

Ships sit moored at sunrise in Singapore, Singapore, on Monday, Feb. 10, 2020. Singaporean health officials are trying to trace three new cases to see if theyre linked to previous coronavirus infections or travel to mainland China. The global death toll from the coronavirus outbreak reached 910, as the World Health Organizations chief voiced concern over the spread of the disease from people with no travel history to China.

Photographer: Bloomberg/Bloomberg

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シンガポールの石油取引会社ヒン・レオン・トレーディングの伝説的創業者リム・オン・クイン氏の一人息子リム・チー・メン氏は、先物取引で積み上がった約８億ドル（約860億円）の損失を同社が隠していたと述べた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。同社の財務に想定よりはるかに大きな穴がある可能性がある。

燃料油取引大手のヒン・レオン（株式非公開）のトレーディング損失は、サウジアラビアとロシアの価格競争や新型コロナウイルスのパンデミック（世界的大流行）を受けた今年の原油価格急落の影響の深刻さを浮き彫りにした。

関係者によると、リム・チー・メン氏は銀行融資を確保するため担保提供していた精製品の一部を同社が売却したと説明した。その結果、保有在庫と銀行融資で担保にした在庫の差が相当開いており、多額の融資を行っていた銀行は担保不足で非常に大きな損失を被る恐れがある。関係者は債務支払いの一時停止手続き案を通知したヒン・レオンの海運企業オーシャン・タンカーズによる４月17日の電子メールを引用した。

エバン・リム氏としても知られるリム・チー・メン氏は、数年にわたり損失が発生した理由を知らなかったと述べており、父親がヒン・レオンの財務部門に損失を財務諸表から除外するよう指示していたという。リム・チー・メン氏と姉妹のリム・フエイ・チン氏の署名がある同電子メールについて事情を知る複数の関係者が明らかにした。