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概要:米国の石油需要は、新型コロナウイルス感染防止のために実施されたロックダウン(封鎖)が解除されつつある中で上向き始めている。石油業界関係者の間には、市場は底を打ったとの期待が広がっている。 他の主要国でも各国が徐々にロックダウンを抜け出すのに伴い、ペースにばらつきはあるものの、燃料消費は回復すると予想され、石油市場は第3・四半期中に需要超過に転じる公算が大きい。 こうした石油需要の持ち直しを主導
John Kemp
[ロンドン 15日 ロイター] - 米国の石油需要は、新型コロナウイルス感染防止のために実施されたロックダウン(封鎖)が解除されつつある中で上向き始めている。石油業界関係者の間には、市場は底を打ったとの期待が広がっている。
他の主要国でも各国が徐々にロックダウンを抜け出すのに伴い、ペースにばらつきはあるものの、燃料消費は回復すると予想され、石油市場は第3・四半期中に需要超過に転じる公算が大きい。
こうした石油需要の持ち直しを主導する役割は、主として軽油などの中間留分が担うことになるだろう。製造業、建設業、貨物輸送業などが活動を再開するからだ。
医療上の理由から、公共輸送機関や民間の自動車などを利用した移動が行われるため、ガソリン消費は増加する。もっとも娯楽関連の移動がない点はガソリン全体の消費の伸びを抑える要因となる。
一方、航空業界は引き続き各種隔離措置やソーシャル・ディスタンス(社会的距離)の確保を迫られ、本格的な運航スケジュールの復活が難しい以上、ジェット燃料は、長期にわたって利用が低迷し続けそうだ。
結果的に中間留分のディーゼルや、特にジェット燃料に比べて軽質留分のガソリンの需要が高まる格好となり、製油業者はこれに対応しなければならない。
<行動制限緩和>
米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)の見積もりでは、直近週に国内向け石油製品の平均供給量は日量1680万バレルだった。ロックダウン前に比べれば約500万バレル低いが、4月上旬からはおよそ300万バレル増加した。
多くの州や郡で外出禁止令が緩和され、事業を再開する企業や自動車の移動が増加したことで、ガソリン消費は著しく押し上げられている。
足元のガソリン供給量は、ロックダウン前より200万バレル少ないものの、4月上旬からは200万バレル余り増えた。
生産・輸送活動が次第に再開され、自動車用ディーゼルといった中間留分の消費も回復しつつある。中間留分の供給量は4月上旬以降で100万バレル前後増加し、ロックダウン前を50万バレル程度下回るだけの水準に達している。
もっとも、旅客セクターには持ち直しの兆しがなく、大半の航空便は運休したままだ。ジェット燃料の供給量は40万バレル弱と、ロックダウン前の4分の1に沈み、4月上旬以降まったく上向いていない。
<石油市場は緩やかに回復へ>
主要国が着実にロックダウン解除を進めていけば、世界の石油消費の落ち込み幅は、4月上旬の2500万-3000万バレルから、6月末までに1200万-1500万バレルに縮小するはずだ。
7月初めまでには、石油輸出国機構(OPEC)プラスが生産抑制を続けて米シェールオイル生産が減少基調のままであれば、世界の石油消費は生産を上回る。
このシナリオの下では、世界の石油在庫は第2・四半期にピークをつけ、第3・四半期に相当程度減少し始める。
トレーダーが在庫減少を見込んでいるため、既に第3・四半期の原油先物の限月間スプレッドは急速に縮まっている。北海ブレントの7月渡しと10月渡しの価格差は、4月中旬の1バレル当たり6ドル(約642円)強から1.60ドルまで縮小した。
今のところ、第2次のロックダウンが起こらず、また原油価格回復を受けて生産者が増産に乗り出さない限り、石油市場では最悪期が過ぎ去り、さらに緩やかな回復が視野に入ってきたように思われる。
(筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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